ミスティ古橋氏インタビュー PART.2 イベント編

富士河口湖オートジャンボリー2021
富士山の麓で最高のイベントにしよう!

きっかけは富士山の世界遺産登録

・富士河口湖オートジャンボリーを開催するきっかけを教えてください

2013年に富士山が世界遺産に決まったんです。それで山梨の大先輩のスペクターの古屋さんが「何か富士山に募金できるようなイベントをやりたいから、一緒にやってくんない」って誘われたんですよ。じゃあ、旧車が集まれるイベントにしようと。当時はまだ旧車が集まれるイベントなんてありませんでしたから。富士山をバックに集まれたら気持ちいいじゃないですか。

1回目は補佐する感じでしたけど、やっぱり最初だし、個人だし、なかなかショップさんが来てくれないんですよ。しょうがないですよ、イメージ的に旧車=暴走族ですからね。だから2回目以降はショップさんは僕の方で声かけをして。個人主催が古屋さんで、法人主催がミスティって感じで。今ではショップさんの方から問い合わせをいただけたりして、かなり定着してきました。

・昨年、コロナで中止になりましたけど、今年できれば7回目です。

この手のイベントで7回目は奇跡ですよ(笑)。皆さん、毎年楽しみにしてくれるから、もうやめられません。最初は山梨県も警察もいい顔はしなかったんです。でもちゃんと地域の皆さんには足を使って、頭を下げて、挨拶をして。「ちょっとうるさいのが来ますけど、迷惑だったら自分に言ってください」って。最初の頃は大変でしたけど、今ではお土産屋さんとかコンビニとか、応援してくれますよ。シーズンオフなのにホテルとか満室になったって喜んでもらえて、今は「来年もやるなら、ポスター貼ってあげるよ」って言ってもらえてます。

イベントでは最低限のルールを守って欲しい

・長く続けられる秘訣って何ですか?やっぱり旧車のイベントは大変って聞きますけど。

最初にルールを作って、それを徹底させることですね。それにつきます。例えばバイクでいうと三段シートと高いロケットカウルはダメにしているんですよ。別に個人的にはいいんですよ。ただどうしても、あの人たちはカラ吹かしをしちゃうんですよ。カラ吹かしをしないならロケットなんか2つ付けても、3つ付けてもいいんですよ(笑)。コールってのがあって、昔はなかったんですけど。あれをやられちゃうとダメで。5台もいるとものすごいんですよ。苦情もいっぱい来て。

それをやっちゃうのが半キャップだったり、三段シートのやつばっかりだったんで、それじゃあ禁止にしようと。何回も何回も警告したんですよ。「禁止にしますよ」と。でもやめないからしょうがない。いきなりダメにするのは好きじゃないから。学校の先生みたいのは。だから「こういうイベントができなくなっちゃうよ。だからコールはやめてね。ルールは守ってね」っ何度も。でもダメだったから。

最後まで頑張ったんですよ。スタッフのみんなはもっと早い段階から禁止にしようって言ってて。僕だけ「いいじゃん別に。カッコいいじゃん」って。自分だってやってたしね。でも、毎回毎回苦情がくるんですよ。ダメだって言ってんのに…。18歳とかじゃなく、いい大人なのに…。「来年、できなくなるからやめてくれって」って言ってんのにね。イベントに参加する以上は、最低限のルールを守ってくれないと。それでもかなりゆるい方だと思うんだけどね。

迷惑だから帰れって言える人がいることが大切

・現場で帰させてましたもんね。実際に会場の入り口で見てました。

「入れません」、「帰ってください」って言えなきゃダメでしょ。それができなきゃイベントをやっちゃいけないです。1回こっきりならいいんですけど、続けようと思ったら、やっぱり。主催者は追い返さないとダメなんです。おまえダメだよ、ルール守れないなら来ちゃいけないよって。普通のショップさんの主催だと難しいかもしれませんね。やっぱり現場対応になると、来たら入れちゃうと思うんです。わかりますよ。でもそれをやったら、もう続かないです。

・そんな時に個人主催の古屋さんの出番ですね。

古屋さんって河口湖の学級委員長みたいな人なんですよ。面倒見がいいし、すごく顔が広くて、みんなに親しまれてて。町長になったほうがいいんじゃないっていうぐらい(笑)。だから協力してくれる人もいっぱいいて。その古屋さんがもう先頭で注意してくれる。「迷惑だから帰れ〜」って。実際、ややこしい人も来るんですよ。そんな時、普通の人じゃ対応できませんよ。古屋さんがいなかったら、こんなに続いてないと思います。

「河口湖の学級委員長、古屋さんがいてくれるからイベントが成立する」と古橋さん。
・イベントをやってよかったな〜って思うことは?

60代、70代の先輩方から、このイベントは「年に一度の同窓会だと思ってる」って言われたんです。それは嬉しかったな〜。あとイベントで知り合ってツーリング行ってます、とか横のつながりができたのは良かったと思いますね。旧車乗りとしての情報交換の場になったのかなって。北海道の人と九州の人が話すのってなかなかないじゃないですか。全国から集まって、バイクが好きな者同士、年齢とか立場とか関係なく話せて。あの空間がいいですよね。バックに富士山があって。それは良かったことかな、と思いますね。

思い出と資料作りのため毎回、写真集も制作。通販で購入することもできる。売り切れ終了。

今年の富士ジャンボリーは前売り券制

・今年は6月20日に富士河口湖オートジャンボリー復活で楽しみです

今年は開催できることをブログに書いたら、皆さんから「今年はやれるんですか。嬉しいです」とか「楽しみだな」とか言ってもらえて。準備もいろいろ大変で、役所や警察の冷た〜い対応に何度も心が折れそうになったんですけど、みんなの笑顔のために我慢我慢で頑張りました(笑)。

去年はコロナで急遽、中止になって。準備はそれこそ1年前からしているんで中止は残念でした。対策がわかんないですもんね。今年はいろいろな方からアドバイスをいただいて、なんとか開催できそうです。ただ今までのような当日参加はなく、前売り券方式になります。そうすればお金のやり取りがなく、非接触にできるからって、そういう指導があって。参加する方も、主催側も面倒っちゃ面倒なんですけど、そうしないとやらしてくれないから。

あと場所の問題もあり、二輪オンリーになります。四輪は参加できたとしても、かなり少なくなるのかな。費用とか、詳細はブログに細かく書いてありますので、ぜひ確認してください。発売はもう始めています。先着順じゃないです。スペースはちゃんと確保してありますから、基本申し込めば全員参加できる予定です。ただし当日、前売り券は絶対に忘れないでくださいね。入れませんから。ここは大切です。

入場料の半分はもう強制的に募金なんですよ。毎回、100万円以上を富士山の保護のために募金しています。でも関東近辺からこのイベントに参加している人って、けっこう富士山に迷惑かけている人が多いと思うんですよ。みんな正月の「初日の出暴走」で富士急ハイランドを目指したでしょって(笑)。だからちゃんとイベントに参加して、富士山に謝って、募金をしなさいよと。そのお金が美しい富士山のためになるんです。

浮世絵風の前売り券はおしゃれ。ポスターで料金や時間、注意事項を確認しておこう。

青い空に白い富士山の下で最高のイベントに

・毎年、梅雨時期なのに天気に恵まれてますね。古橋さんは晴れ男?

おかげさまで天候には恵まれてます。梅雨のど真ん中だから、毎年心配なんですけど、雨のイメージはないですね。前回は前日が台風みたいなどしゃ降りだったんですけど、当日の朝になったら信じられないくらいいい天気になって。イベント近くなると毎週のように山梨に行くんですけど、必ず地元の神社に寄ってお祈りしてきます。天気のことはもちろん、道中の皆さんの安全を願って。

天気さえ良ければバイクのイベントは半分成功したようなもんなんですよ。青空の下で、緑がキレイで、さらにバックが富士山なんて最高じゃないですか。今年も会場でみんなに会えることを楽しみにしています。そして来る時も、帰りも安全運転でお願いしますね。ちゃんと無事に帰ってこその富士河口湖オートジャンボリーですから。そしてもちろん「迷惑行為はダメ、絶対」です。よろしくお願いします。

富士河口湖オートジャンボリー2021 前売り券の購入方法

前売り券の詳細はこちらからhttps://ameblo.jp/mistyfamily/entry-12675867919.html?frm_src=thumb_module

[SHOP]
MISTY(ミスティ)
http://mistyfamily.com/

住所:神奈川県横浜市都筑区大熊町29−1
営業時間:10:00〜20:00
定休日:水曜日

ZやCBなど絶版車カスタムが大得意
自分だけのマシンを造ってくれる

古橋氏が29歳の時にオープン。25年以上の歴史と経験で、ZⅡやヨンフォア、CB750などの絶版車のレストア及びカスタムを得意とする。集合マフラーやしぼりハンなどオリジナルパーツの人気も高く、信頼性も高い。改造車専門と思われがちだが、バイクの大きさや新車、中古車問わず販売しており、ビギナーからベテランまで豊富な客層を得ている。遠く地方からツーリングがてら遊びにくるお客さんも多いとのこと。もちろんカスタムに関しても、親身になってどこにもない「自分だけマシン」を造ってくれる。

店舗内には所狭しと極上の絶版車とオリジナルパーツが並べられる。
ヨンフォアやCBXが並べられた一画。一台一台、微妙に仕様が違う。
こちらはカワサキのZ系ゾーン。カスタムオーダーにも対応する。
Z系と共に人気の高いホンダCB750。程度の良さは定評がある。
大型車専門のイメージだが、オフロード車からスクーターも手がける。
初めてお会いした時に、永ちゃん以上に緊張したという岩城滉一氏のポスターがズラリ。
こちらには大好きな矢沢永吉氏とキャロル時代のポスターが貼られる。
マフラーのサイズ感、サウンドなど古橋流のアレンジを加えたオリジナル集合管。
若い頃に所属していた「メデューサ」のステッカーをモチーフに。
オリジナルのタンクカラーリングなども得意。デザインの相談にも乗ってくれる。
ミスティのオリジナルパーツは通販でも手に入るが、サイズ感を知りたければ店舗で確認しよう。
オリジナルステッカーやキーホルダーなど。数量限定ものも多いのでお早めに。
意外に消耗品であるメーター類は砂型、金型と新品、中古と車種ごとに多く取り揃える。
個人的にツボだった1台。ヤマハGR50、高校の時に友達が乗っていた。40年ぶりに実車を見た。