パッと見は本物! はったりパーツの先駆け

パーツ名:はったりボンピン
流行時期:1980年後半

レーシングカーには必ず付いているのがボンネットピン(以下ボンピン)。トラブルなどでピットインした際にワンタッチでボンネットを開けられる、FRPなどで軽量化したボンネットの場合は風圧で不意にボンネットが開いてしまうのを防ぐなど、れっきとした機能パーツである。現在のボンピンは整流の妨げにならないフラットタイプが主流だが、往年のレーシングカーにはワイヤータイプが採用されていた。レーシーなビジュアルがカッコいいのだが、本物はボンネットに穴を開ける必要がある。「そこまでしなくてもいいからレーシーに見せたい」というニーズに応え、ファッション性を重視したダミーボンピンが販売されていた。取り付けは両面テープで貼るだけ、以上。その手軽さが人気を集めた。ちゃんとワイヤーも付いているから見た目がリアルで、ワイヤーをボンネットの内側に仕込むのがミソ。ダミーボンピンは現在でも入手可能だが丸型のリングが付いたピンを引き抜くタイプが主流で、逆にワイヤータイプは入手困難になっている。ただ本物のワイヤー式ボンピンはまだ市場に出回っており、マニアの間で人気がある。