深リムを履きたい夢を叶えてくれた「鉄チン」

パーツ名:鉄チン加工ホイール
流行時期:1970年後半〜

まだ極太サイズのホイールがあまり出回っておらず、もしあったとしても非常に高価で簡単に手が届かなかった70年代。もっと手軽に深リムのホイールを手に入れたい、そんなオーナーたちに支持されたのが純正スチールホイールを深リムに加工した「鉄チン加工ホイール」。アルミホイールと違って「重い」というデメリットがあるが、自分好みのJ数のホイールが作れるという柔軟性の良さがウケた。今でも渋さを演出するため、あえて鉄チンホイールを愛用するオーナーもいる。

なお鉄チン加工と言えば、今も存在する千葉県の鎌ヶ谷ワイドホイールが有名。社長は若い頃にレースをやっていたが、太いタイヤを履かせるホイールがなく、試行錯誤して鉄チン加工ホイールを作ったのがきっかけと言われている。その評判が口コミで広がり、レース関係者だけでなく街道レーサーたちもこぞって加工をお願いしたという。現在もこだわり派は鎌ヶ谷ワイドホイールに依頼して、独自の加工用機械を駆使して当時よりも大幅に精度が高いオリジナルの鉄チンを作ってもらっている。オリジナルのステッカーも当時から人気が高く、今もたまにウインドウなどに貼ったクルマを見かける。