今では考えられない押し出し系フォルム

撮影日:2018年11月18日
イベント:旧車天国(東京都)
ナンバー:埼玉県

MERCEDES BENZ S-CLASS
メルセデス・ベンツ エスクラス(W126型:1970年〜1991年)

 欧州車やアメ車のカスタムを国産車に取り入れるという手法は、古くから存在していた。例えばかつてセリカLB用に販売されていたトランザムキット(フロントスポイラーとリアフェンダー手前に付けるスポイラー)は、その名の通りポンティアック・トランザムの意匠をイメージしたものである。このW126メルセデスベンツ・AMGに関しては、後のVIPセダンに多大なる影響を与えた。メッキ部分のブラックアウトや同色ディッシュホイ−ルなどはあきらかにAMGのテイストである。

 現在ではメルセデスの傘下となってしまったAMGだが、もともとチューナーとして精力的に活動しており、このW126のようにちょっと過激なコンプリートカーも手がけていた。ノーマルとの最大の違いは、ボトムにボリュームを加えたエアロパーツ。リップの中央を台形に落とし込んだディテールは「Aライン」とも呼ばれ、後に多くのエアロメーカーが参考にした。ボディ同色仕上げのディッシュホイールも大ブレイクし、素のディッシュホイールを買ってわざわざボディ同色で塗るセダン乗りも多かった。